[自己啓発/読書] 後世への最大遺物/デンマルク国の話(内村 鑑三 著)

オススメ度 ★★★★★


Posted by Ryuichi Yamashita on Nov 4, 2016

多くの人がオススメ本とされていたので、今回手に取って読んでみました。本を手に取る前はタイトルがよくわかっておらず、最大遺物=デンマークの話かなと勘違いしていましたが、実際のところは全く違う話が二編集録されていて、有名なのは「後世への最大遺物」という短編の方でした。。

後世への最大遺物/デンマルク国の話

オススメ度:★★★★★

そもそも、1894年に内村鑑三が箱根山の麓で行ったスピーチを書き下ろして出版されたものなのですが、約100年以上前のスピーチがこうして世の中に残っているということ自体凄いことだと思いました。ITの世界では伝説的なスピーチとして、2005年にスティーブ・ジョブズがスタンフォード大学の卒業式で行ったスピーチがすごく有名ですが、それに負けず劣らず人々の心を打ったのだろうなあと推測します。

本書の内容としては、内村曰く、私たちが後世に残せるものとしては、金・事業・文学としての思想、そして私たち自身の高尚な生涯の四つがある、そして、その四つの中でも私たちが必ず遺せるものして、私たち自身の生き方としての生涯があるという内容なのですが、それぞれの具体的なエピソードも面白く平易に語られているのもあり、すんなりと読めました。

私自身の話をしてしまうと、両親の影響はさながら、もう亡くなってはしまいましたが祖父の影響を非常に強く受けていると感じており、彼は私の中に彼の生涯を遺して逝ったのだとこの本を読んで改めて思いました。

また、本書の内容と直接的に関係はないのですが、内村自身は20代の頃、西暦にして1880年代にアメリカの新学校に留学しそこで学んでいます。アメリカ留学中のエピソードなども本書に出てくるのですが、よくよく考えればその後60年の時を経て 日本とアメリカは戦争相手国となるわけで、時代の流れは読めないものだなと感じてしまいました。

未来は先が見えませんが、先人に倣いながら、私も何かしら遺せるように日々努力しよう、と思わせてくれる良書でした。是非ご興味あれば一度手にとって読んでみてください。