[起業] IT新産業分野に関する考え方〜その③〜

キャズム前夜


Posted by Ryuichi Yamashita on Nov 23, 2016

さて、今日はVR(Virtual Reality)業界について私見を述べさせていただきたいと思います。VR業界は最近何かと話題になりやすく、日本においても新たなベンチャーが立ち上がりつつ、今までスマホゲームを開発していた古参のベンチャー企業も一部はVR業界に乗り出すなどしているようですね。

個人的にVRは一度展示会で身につけたことがありますが、新たなエンターテインメントとしてこれから数年以内に一般家庭に普及する可能性は大いにあると思います。ただ、スマホと違って、主たる用途はエンターテインメント向けに限定されると考えています。理由は二つあり、一つはVRのそもそもの目的がユーザに没入感をもたらす点であり、したがってVRは非日常体験をユーザーに提供する際にその威力を発揮するからです。もう一つの理由は至極当たり前ですが、VRのヘッドセットを頭につけながら外を歩くことが、少なくとも現状は技術的に不可能であるためです。

実際のところ、先日紹介したNHKの番組でも取り上げられていた中国のVR会社はVR上の恋愛シミュレーションゲームを開発していたので、このようなゲーム会社が今後どんどん出現してくるのかな、と思います。

私自身はというと、普段ゲームを全くと言っていいほどしないためにあまりこの領域にイマイチ興味がわかないのが現状です。市場自体を判断するならば、まだVR市場はキャズムを超える前の状況にあり、イノベーターを中心に楽しまれている状況だと思います。したがって本来であれば、ベンチャーは今こそVR関連の技術(例えばUnityでの開発力)をしっかりと磨いて、やがてVRがキャズムを超えたあたりから怒涛の勢いでVR市場にフォーカスするというのが正しい戦略だとは思うのですが、まだこの領域も知見をためていくことに関して私自身決断しきれていません。

事業選択もある意味でトレードオフになってしまうので、何か人々の生活の役に立てるサービスやプロダクトのアイディアを思いつくその日を待ちたいと思います。