[起業] IT新産業分野に関する考え方〜その②〜

JSON or not JSON, that is the question.


Posted by Ryuichi Yamashita on Nov 22, 2016

さて、本日はここ2、3年の間にかなり有名になった「IOT(Internet of Things)」について述べたいと思います。

結論から申し上げるならば、数年前に流行った「ビッグデータ」という言葉を言いかえただけの単なるバズワードに過ぎない場合が多いので、このIOTという用語をニュースなど見かけるたびに常に警戒心と猜疑心に支配されてしまいます。

このIOTというワードがイケていないと感じてしまう最も大きな理由は、この分野におけるほとんどのサービスやプロダクトが、ニーズ発で考案されることなく、シーズ(技術)発で考案されることが多いと考えているからです。もちろん、シーズ発で考えることも重要なのですが、そのウェイトが大きすぎるので、実際のところニーズからかけ離れたサービスやプロダクトがなんと多いことでしょうか。また、IOTがもたらす価値の源泉は、蓄積された膨大なデータにあるのですが、このデータの価値はあくまでも人が判断するものです。したがって、モノ(Things)とモノを結びつける時に発生するデータをそのまま見ていても何も生まれず、価値が発生するのはそのデータをいかにヒトに結びつけれるか、というポイントにあるのですが、IOTという用語はそのポイントを包み隠してしまっている点も私がこの用語を嫌いな理由の一つです。

と、IOTについて悪口ばかり述べてしまいましたが、エンジニアの端くれとして「IOT( Internet of Things)」に注目しているとすれば、そのIOTに適している(と言われている)データ構成としてのJSON(NoSQL)に注目しています。

今も昔もデータといえばSQLが主流だと思いますが、21世紀はNoSQLの時代だと思います。データベース周りに詳しくない方のために少し補足すると、SQLはデータを厳密に保持する代わりにデータを扱うスピードが遅い、NoSQLはデータの保持が厳密ではない代わりにデータを扱うスピードが速いという違いを理解していただければと思います。

20世紀は少量のデータを正確に扱うことが求められていましたが、21世紀は、多量のデータを高速で扱うことでデータの質を担保する時代だと思います。今後もIOT周りで様々な技術革新が起こることは容易に想像できるので、目先のワードに惑わされず、最新技術の本質的要素にキャッチアップしておくことが重要ではないでしょうか。