[雑題] 問題を解決するために

高齢者の自動車事故について考える


Posted by Ryuichi Yamashita on Nov 20, 2016

最近、お年を召した方が容疑者となる、自動車の運転事故が後を絶ちませんね。確かに事故を起こす側に過失があることは否定できることではありませんが、この自動車事故の主たる原因である「アクセルとブレーキの踏み間違い」は誰にでも起こり得る過失であり、一概に彼らを非難することもなかなか難しいものであります。現に私も駐車場でバックをしている時に、アクセルとブレーキを踏み間違え、後ろに勢いよくぶつかってしまったことがありました。その際は後方に人もいなかったので自分の車が凹んだだけで済んだのですが、万が一誰かがいたなどというようなことを考えると非常に怖いものがあります。

先日放送されていたテレビでは、中学生の娘さんを亡くされた親御さんが、二度とこのような事件が発生しないよう一定の年齢を超えた高齢者には免許取得の再試験を課す、もしくは免許を取り上げる制度を構築するべきと仰っておられました。

みなさんはこのような現状に対し、どのような施策が望ましいと思われますでしょうか。

私は上記、一定の年齢を超えた方々に免許取得の再試験を課す、などという政策に反対するわけではないのですが、一方で、諸手をあげて賛成というわけでもありません。というのも、この件に関して、もっといろいろな、そして根本的に問題解決となる手段があると考えているからです。

まず、この問題のそもそもの原因を考えてみたいと思います。その原因とは、「高齢者はアクセルとブレーキの踏み間違いをする可能性が高い」でしょうか。あながち間違っていないと思いますが、もっと根本的に問題を解決するために考えるべき原因は、「現在の自動車の構造は、アクセルとブレーキの踏み間違いをする可能性が高い」ということではないかと思います。なぜならば、確かに「アクセルとブレーキの踏み間違い」をする高齢者の数を少なくすれば全体の事故数も減少すると思いますが、「アクセルとブレーキの踏み間違い」をする若年層は除外できないため、全体の事故数はゼロになることは到底考えられないからです。

では、どうすれば良いか。

そもそも、アクセルとブレーキの踏み間違えを減らすような構造にするため、自動車メーカーがアクセルとブレーキの位置を離せばいいのです。現状のアクセルとブレーキはどちらが右でどちらが左だったか皆さんは瞬時に思い出せますか?普段自動車に乗らない方は特に難しいのではないでしょうか。もしこの構造を、自転車のブレーキのように、アクセルは足で、ブレーキは両手でかけることができるような構造にできればどうでしょうか。とっさの判断時にも迷わず、ブレーキをかけられるのではないでしょうか。

もちろん今の制度上、足元のブレーキをいきなり構造上取っ払うのは無理があるでしょう。でも、追加の機能として、ハンドル上にブレーキ機能を持ったボタンやそれこそ自転車のブレーキのような構造をした部品を取り付けることは可能ではないかと思います。自動車メーカーにはこの「アクセルとブレーキを踏み間違え」をいかに減らすことができるかを真剣に考えてもらいたいところですね。

別に私はこの案が最も適切だと言いたいわけではなく、他にもいろいろな策があると思いますが、問題をどのように考えるかでその解決方法も変わってくるため、できるだけ問題を包括的に捉えることが大切だと言いたいのです。高齢化社会はこれからも進展していきますし、これまで問題にすらならなかった問題が雨後の筍のように出てくるでしょう。こんな時こそ、既存の枠組みに縛られず、ありとあわゆる解決策や可能性を日本人みんなで考えるべき時代に来ているのではないでしょうか。その先に、世界を変えるイノベーションがきっとあるはずです。