[雑題] 昨今の就職活動について

人生はトレードオフ


Posted by Ryuichi Yamashita on Nov 16, 2016

先日たまたま見たテレビ番組で、就職活動を終えた東大生・京大生の特集があり見ていたのですが、数年前(と言ってもかなり前ですが、、、)の自分を思い出すようで面白かったです。学生時代、クラブ活動もやりながら少し見識を広めたかったのもあり、レストランの皿洗いに始まりコンビニのレジ打ち等アルバイトはいろいろ経験していましたが、そのような経験も、そしてやがて就職して総合商社と言われる大企業で働いた経験も、何かしら私の人格形成上一部分になっていると思うと、改めて「働く」ということの人生における重要性を考えてしまいますね。

そのテレビ番組を見ていて感じたのは、一般に有名大学と言われるいわゆる偏差値の高い大学に通っている学生はまだまだ大企業に就職を希望する傾向が強いのかなあということでした。就職先の安定性というのは、売上高の規模や財務健全性に比例するかと思うので、その点を重視するならば大企業に就職するという選択肢は至極真っ当だと思います。

一方で、大企業に勤めた経験から申し上げるとすると、当たり前のことですが、多くの大企業は会社としての長い年月を生き抜いているため、社内がかなり(時として学生の想像以上に)組織化されていると思っていいでしょう。大企業にとってはその方が属人性が低下するため望ましく、つまり、大企業の中では誰かがいなくなっても代わりはいくらでもいるわけです。そのため、大企業ほど個人が没個人化する傾向は強く、それゆえに個人の適正や嗜好、性向といったものにマッチした仕事に個人個人が携わることのできる確率は低くなるという事実があると思います。

私個人としては、もはや新卒とか中途採用といった区別自体がなくなるべきだと思いますが、少なくとも就職活動をしている方には、大企業とベンチャー企業(中小企業)とで様々な要素がトレードオフの関係(両立しえない関係)にあるという事実と、自分自身が人生において何を重要視するのかという事実は再認識したうえで志望先を絞ってほしいと思った秋の夜長でした。